大学概要【2021年度実施分】国際交流を介した町づくりと地域拠点の提案(津島市下街道を中心として)

理工学部

国際交流を介した町づくりと地域拠点の提案(津島市下街道を中心として)
実施責任者:生田 京子

本取組では、津島市上街道?下街道周辺の町づくりについて、住民がすでに交流を開始しているフィンランドのタンペレ大学のメンバーと国際的な意見交換を行いつつ、新たな発見を提案におこしていく。また下街道に位置する1つの町屋を活用し、町の地域拠点(コワーキングスペース)として開いていく取組に参画する。学外?海外の多様な立場からなる他者との協働による刺激により、学生が成長する機会を設けていく。

ACTIVITY

フィンランドとの国際ワークショップの開始

2021/08/07

6月より、フィンランドのタンペレ大学と、名城大学の学生達による国際オンラインワークショップが始まりました。
これから2か月間、フィンランドと日本の学生の混合チームで、設計テーマに取り組んでいきます。
このワークショップでは、津島市にある古民家を地域コミュニティの拠点として再利用できるように改修していくことを目的とし、プログラムとデザインの両側面から検討していきます。
初回は、ワークショップの流れ、自己紹介、関連するレクチャーなどが行われ、津島市の地域の方々が数人コメンテーターとして参画されて、楽しい雰囲気でスタートできました。

タンペレ大学のコーディネーターより、ワークショップの課題が説明された

名城大学の三浦先生より、日本の町屋建築などに関するレクチャーが行われた

町屋の模型を作り、内部の造作を検討

2021/08/27

7月、現地での実測結果をもとに、町屋の模型を作りました。
模型の中で、様々な形の家具や、床の入れ方を検討していきます。
日本の学生が作成した模型を、フィンランドの学生とも画像共有していき、コミュニケーションを取っています。
これまで20個以上のアイデアが出てきましたが、それらを議論の上3案にまとめました。それらを、津島の地域の方々や、フィンランドの建築家にプレゼンテーションし、クリティークを受けます。

模型を囲んで、議論をする学生達

模型の断面

模型の中におく造作について、何パターンか入替をしながら検討

模型の内部

町屋において、たたき(三和土)土間を施工

2021/10/14

フィンランドとの国際ワークショップを経て案が選定されました。
選定された案をもとに、現地でのリノベーション実習が開始されました。
第1回は、たたき(三和土)土間の施工です。
まず、土と水とその他の材料をミキサーで混ぜます。次に床に材料を流し込み固めるためにたたいて行きます。最後にコテでたたいて平らに整えて行きます。
庭師の小笠原寛氏に技術指導を受けながら、進めて行きました。
学生達は、伝統的な構法にふれて理解が進んだことと思います。笑顔で楽しげに作業を進めていました。


床に三和土の材料を流し込み、古材の重みで上からたたいていきます。

ある程度均等に叩いた後、コテで細かくさらに丁寧に叩いて仕上げて行きます。

事前準備として、現地の土の部分を平らにならして砕石を敷いて行きました。

ミキサーで土とその他材料を混ぜて行きます。三和土の材料の7割以上が土であり、土を水と石灰で固めて、硬くたたき上げていく構法です。

力をこめてコテでたたいていきます。うまく力が入るとパンという良い響きとともにきれいに固まる手ごたえがあります。

完成後に、技術指導の小笠原氏と集合写真。

完成した三和土土間。

古材の循環的活用の検討

2021/12/07

現地でのリノベーション実習が続いています。
たたき(三和土)土間の施工後に、上がり床の改修を進めています。ここでは、本町家の中庭奥にあった蔵を解体した際に、いくつかの古材が保管されていました。それら古材を転用し活用するアイデアを検討していきます。
現在、建築分野では資源の循環の視点から、新たな材を使い続けるばかりでなく、まだ使える材料をいかにうまく転用活用していくかも、大切な課題となっています。
ここでは、改修の床仕上げ材として蔵から出た古材を利用することにしました。実際に活用する部分に、古材を並べると、町家独特の光環境のもとで、古材が光ったり、味わい深い表情を見せたりします。それらをデザインの要素として活かしていくことも、考えています。

床に古材を並べてみる

古材の表情、光を反射する様子などをデザインに活かしていく

床下地の木仕口を施工中

新たに改修している上がり床

古材の保護をするための塗装について、色や艶?素地の透過の様子など、数々のサンプルを作成して検討する

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