ロボット倶楽部

人も予算も足りない...!
逆境を乗り越え達成した世界大会ベスト8!!

学びのコミュニティ NAGOYA SHACHIHOKO

ものづくりに興味がある名城生が集まって楽しみながら技術を磨くロボット倶楽部。そのロボット倶楽部のメンバーを中心とした、複数大学の混合チームNAGOYA SHACHIHOKOが国際的なロボット競技会「RoboMaster」のRoboMaster University League 2023で、見事ベスト8の成績を収めました。アメリカ?ワシントン大学で開催された大会の様子と、大会を終えて帰国した部員たちの声をレポートします。

大会に出場したNAGOYA SHACHIHOKOのメンバー
右上:吉井智哉さん(理工学部4年)、
右下:福岡良樹さん(理工学部2年)
左上:岩田光司さん(理工学部2年)、左下:末良真和さん(名古屋工業大学第Ⅱ部5年)

WHAT WE LEARNED #01

ロボット世界的大会に出場したい

ドローン大手メーカーのDJIが主催する世界最大規模の次世代ロボット競技会「RoboMaster(以下、ロボマス)」。
各国の大学生チームが自作のロボットを操縦して対戦する、eスポーツのようなエンタメ要素を盛り込んだ大会です。
ロボマスの中でも「RoboMaster University League (以下、RMUリーグ )」と呼ばれるカテゴリがあり、今年はアメリカ?ワシントン大学を会場として開催されました。

日本からは唯一NAGOYA SHACHIHOKOが出場しました。
NAGOYA SHACHIHOKOは、ロボット倶楽部の学生や、近隣の工業大学や愛知総合工科高校専攻科のメンバーなどが集まってロボマス出場を目指して活動しています。本学からはロボット倶楽部の吉井さん、福岡さん、岩田さんを含め10名弱が参加しています。

ロボマス に出場するには2つの関門があります。
まずは大会規定部品の構築方法や理解度を測るWEBテストを受け、さらにチームで製作したロボットの運動性能や射撃精度を測る動画審査を受けます。NAGOYA SHACHIHOKOは、この2つのテストを無事にパスし、大会に出場できることになりました。

WHAT WE LEARNED #02

メンバーも予算も足りないけれど…

RMUリーグではロボットがプラスチック弾を撃ち合って対戦します。
時間内に相手拠点を破壊すれば勝ちですが、終了時にお互いの拠点が残っている場合は、ロボットのHPがより多く残っている方が勝者となります。

NAGOYA SHACHIHOKOが用意したロボットは3種。
「歩兵ロボット」は17mm弾を発射する装置を備え操縦者がコントローラーで操作します。
「哨兵ロボット」も17mm弾を発射できるうえ、自動照準を搭載した自律型ロボットです。
「ヒーローロボット」は拠点を守る自律型ロボットで、42mm弾を発射する高い攻撃力を備えています。

NAGOYA SHACHIHOKOメンバーは渡航費用の問題もあり大会開催日2日前に渡米。
到着後すぐ会場に向かい、輸送のため解体した3台のロボットを組み立てる作業を始めます。大会前日に行われる事前検査に間に合わせなければなりません。
「アメリカ本国のチームや予算に余裕のあるチームはロボットを解体せずにそのまま会場に持ち込んでいましたが、日本から参戦した僕たちはそうはいきません。とにかく時間が無いため、事前検査当日まで作業を続けてぎりぎり間に合わせることができました。」と吉井さん。

また、NAGOYA SHACHIHOKOは4名で大会に挑みましたが、他チームは人員に余裕があり、会場となったワシントン大学チームはなんと70名!
ロボットを解体して持ち込まなければならない海外組、最小人数のチーム編成と不利な面は多くありましたが、気持ちを強くもって大会当日を迎えました。

WHAT WE LEARNED #03

リーグ戦を突破して、 見事ベスト8に!!

今年度RMUリーグに参加していたのはアメリカ、シンガポール、イタリア、カナダ、メキシコなど全世界から集まった18チーム。まずはリーグ戦で順位を競い、トーナメント戦、最終日は準決勝と決勝が行われます。

NAGOYA SHACHIHOKOは最初のリーグ戦を無事突破。トーナメント戦に進むも初戦敗退。その後に行われた敗者復活戦で、熱戦を繰り広げたものの惜しくも敗北しベスト8という結果に終わりました。

「歩兵ロボットの性能がよかったことがリーグ戦を突破できた要因だと思います。僕たちの歩兵ロボットは、3年ほどかけて改良し完成度を高めてきました。ただ、一番戦闘力が高いヒーローロボットがうまく調整しきれず、置きもの状態になってしまいました。来年以降勝ち進むためには、ヒーローロボットはイチからつくり直す必要があります」と吉井さんは大会を振り返ります。

「リーグ戦突破という目標は達成できましたが、敗者復活戦で好試合をしただけに悔しさも残ります。とはいえ潤沢な費用や人員あったわけはないので、今回のベスト8という結果は次につながる自信になりました」とすでに前を向いているようです。

WHAT WE LEARNED #04

課題をクリアし、 今年以上の成績を目指す

2年生の福岡さんと岩田さんは、先輩?吉井さんの強い勧めで初めてロボマスに参戦。海外国際大会の雰囲気に触れ、何を感じたのでしょうか。

「正直、海外を楽しむ余裕はありませんでした(笑)。事前審査や試合直前に行われる審査で、ロボットに少しでも不具合があると修正が待っています。時間が全然足らず大変でしたが、その必死さが部活動っぽくて僕は楽しかったです。競技を終えた後は少し時間に余裕ができたので、海外の大学生と翻訳アプリで話をしたり、交流できたことがとても印象に残っています。他チームの高度なレベルのロボットを見てモチベーションも上がりました。来年は学科の演習など忙しくなりそうですが、学業とクラブ活動を両立して、また大会に参加できればと思います。」(福岡さん)

「ロボット倶楽部に入るまでロボマスのことは知らなくて、今年の大会も先輩から誘ってもらったのでなんとなく参加しました。でも会場がすごく盛り上がっていて熱気があり、その雰囲気を味わうことができてよかったです。世界的なロボット競技会に出場するという貴重な経験ができました。ロボットの組み立てや修正は大変でしたが、来年もぜひ参加したいです。」(岩田さん)

吉井さんもこれからの抱負を語ってくれました。
「まずは国内で練習会を開催したいと思っています。僕たちのようにロボマスを目指しているチームが日本国内にはあと2つあり、どちらも実力のあるチームですので、一緒に練習をして交流を図りたいです。また、人員確保やスポンサー探しの必要性も痛感しました。スポンサー企業には自分たちで直接アプローチして、現在は日進機工株式会社さまとニッシンテクニス株式会社さまからサポートをいただいています。
そういったことにも目を向けてチーム総合力を強化し、来年は今年以上の成績を目指します。」

CLUB INTRODUCTION

ロボット倶楽部

ロボットやものづくりが好きな学生が集まって自由に活動しているロボット倶楽部。現在は30名ほどが在籍し、種子島ロケットコンテストを目指す種コンチームと、RoboMasterへの出場を目指すロボマスチームに分かれて、知識や技術を磨いています。ロボマスチームは部員、スポンサーともに大募集中とか。見学も随時受け付けています。

◆ クラブ
ロボット倶楽部
@meijo_robot
https://twitter.com/meijo_robot

◆ チーム
ロボマスチーム(NAGOYA SHACHIHOKO)
@RoboMaster8
https://twitter.com/RoboMaster8

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